経費精算で使う主な勘定科目とは?仕訳例や会計処理におけるポイント

「勘定科目」とは、企業が何に対してお金を使ったかをわかりやすく分類するものです。会計帳簿に取引の記録を残す「仕訳」を行う際に、金額・日付などとともに記入します。これにより、何に対してお金をいくら使ったのか、ひと目で把握できるようになるのです。
経理担当者の方は日頃の経理処理をスムーズに進めるためにも、よく使う勘定科目を覚えておきましょう。この記事では、経費精算でよく使われる勘定科目や、仕訳例、会計処理のポイントなどを解説します。
この記事の目次
経費精算でよく使われる勘定科目
経費精算時には以下の勘定科目がよく用いられます。初めに、それぞれの項目の概要を解説します。
- 旅費交通費
- 接待交際費
- 会議費
- 消耗品費
- 福利厚生費
- 租税公課
- 雑費
- 通信費
旅費交通費
出張時や取引先への移動などで使う経費が対象となる勘定科目です。具体例として、出張で利用する新幹線代・電車代・タクシー代、レンタカーのガソリン代、ホテルの宿泊代などが挙げられます。
接待交際費
取引先の接待で使う経費が対象となる勘定科目です。具体的には、取引先との会食の飲食費、取引先へ贈るお中元・お歳暮の費用などが該当します。
関連記事:接待交際費は経費精算上、いくらまで損金として認められますか?
会議費
会社の事業に関わる社内外の会議や打ち合わせで使う経費が対象となる勘定科目です。接待交際費とは異なり、社員のみで開催される場合も対象となります。具体例として、会議での飲食代や、会議室スペースのレンタル費用などが挙げられます。
消耗品費
「使用可能期間が1年未満」または「取得価額が10万円未満」の物品を購入した経費が対象となる勘定科目です。具体例として、少額な文房具代や用紙代などが挙げられます。
福利厚生費
給与以外で従業員のために支給される費用が対象となる勘定科目です。具体例として、社員旅行やレクリエーションの代金などが挙げられます。
関連記事:経費管理上、福利厚生費として認められるものにはどんなものがあるのでしょうか?
租税公課
国や地方自治体の税金が対象となる勘定科目です。具体例として、固定資産税・自動車税・印紙税などが挙げられます。
雑費
他の勘定科目に該当せず、かつ頻繁に経費計上しない経費が対象となる勘定科目です。具体例として、一時的なクリーニング代やレンタル代などが挙げられます。
通信費
業務で利用する通信・配送関連の経費が対象となる勘定科目です。具体例として、インターネット回線やレンタルサーバーの費用のほか、電話代などが挙げられます。
経費精算でよくある勘定科目の仕訳の例
続いて、経費精算でよくある勘定科目の仕訳方法をご紹介します。以下の具体例で、借方金額・貸方金額の書き方を確認してみましょう。
- 例1:旅費交通費の仕訳
- 例2:接待交際費の仕訳
- 例3:雑費の仕訳
例1:旅費交通費の仕訳
従業員が現金で立替払いした出張費用50,000円を、後日給与とともに支払う場合の仕訳例です。
初めに借方に「旅費交通費」で50,000円、貸方に「未払金」で50,000円と記載します。その後、従業員への支払い時は借方に「未払金」で50,000円、貸方に「普通預金」で50,000円と記載します。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 50,000円 | 未払金 | 50,000円 |
未払金 | 50,000円 | 普通預金 | 50,000円 |
例2:接待交際費の仕訳
取引先との会食で、飲食代30,000円を現金で支払う場合の仕訳例です。
借方に「接待交際費」で30,000円、貸方に「現金」で30,000円と記載します。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
接待交際費 | 30,000円 | 現金 | 30,000円 |
例3:雑費の仕訳
過失により会社の制服を汚してしまい、一時的に発生したクリーニング代2,000円を現金で支払う場合の仕訳例です。
借方に「雑費」で2,000円、貸方に「現金」で2,000円と記載します。また、摘要欄に「クリーニング代」と記載し、利用したサービス名もメモしておくとよいでしょう。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
---|---|---|---|---|
雑費 | 2,000円 | 現金 | 2,000円 | クリーニング代(〇〇クリーニング店) |
経費精算に勘定科目を使う理由
なぜ会計では、勘定科目を設定するのでしょうか?仕訳を行う意味から勘定科目を使う理由を解説していきます。
経費の使い道を明らかにするため
業務では幅広い種類の経費が発生しますが、勘定科目として大まかに分類することで、会社のお金を何に使ったのか把握しやすくなります。どのような支出が発生しているのか確認しやすくすることで、企業の経営状況が一目でわかるようになるのです。
さらに、経費処理の透明性が高まることで、投資家からの信頼確保や内部統制の強化などにもつながります。
経営戦略の精度やスピードを上げるため
適切な勘定科目を設定して経費を詳細に管理すると、「自社の経費の大部分を占める項目は何か?」などの分析ができ、経費の割合などのビジネスの現状が明確になります。
自社の財務状況を分析することは、経営課題の速やかな特定につながり、経営戦略の精度や向上や経営判断のスピードアップに貢献します。
税金の計算を正確にできるようにするため
経費は企業の法人税の金額に関わっています。
▼法人税の計算式
- 法人税=課税所得×税率-税額控除額
- 課税所得=益金-損金
このうち課税所得の計算に関わる「損金」には、企業の資産を減少させる「経費」や「損失」などが含まれます。
経費を抜け漏れなく計上することで、課税所得が正確に算出され、法人税の払いすぎを防げるのです。そのためにも、勘定科目を設定して正確かつ詳細に経費を管理する必要があります。
経費精算を行うときの勘定科目のポイント
基本的に、勘定科目は各企業が自由に設定できるとされています。ただし、正確に記録に残すためにも、以下のポイントに注意しておきましょう。
一度決めた勘定科目のルールは原則変更しない
勘定科目のルールは全社で統一するのが基本です。ルールが統一されていないと、担当者によって勘定科目の判断が変わり、正確に決算を出せなくなります。企業会計基準における「継続性の原則」に即して運用するためにも、一度決めた勘定科目のルールは、原則として途中で変更せずに運用しましょう。
勘定科目はわかりやすい名前に設定する
勘定科目の名称は会社ごとに設定できますが、勘定科目を設定する際は、前述の「旅費交通費」や「接待交際費」のような一般的に使われている名前を採用するのが望ましいでしょう。会計帳簿は銀行員や税理士など社外の相手に見せるケースもあるためです。業界用語や略称などを用いるのは避けておきましょう。
「楽楽精算」なら便利な自動仕訳機能で業務を効率化できる!
ここまで、経費精算の基礎知識として押さえておきたい勘定科目をご紹介しました。経費精算業務では、経費の内容に適した勘定科目を設定する必要があります。
そんなとき経費精算の処理を自動化するシステムを導入すれば、大幅な業務効率化を実現できます。なかでもおすすめなのは、自動仕訳機能を搭載した経費精算システム「楽楽精算」です。
「楽楽精算」の魅力➀ 申請内容に応じて自動仕訳できる
「楽楽精算」には自動仕訳機能が搭載されているので、面倒な仕訳を簡単に自動化できます。申請内容に応じて自動で勘定科目や税区分が振り分けられるので、仕訳作業のスピードアップが期待できます。立替金や仮払いの仕訳にも対応可能です。
「楽楽精算」の魅力➁ 会計ソフト連携で仕訳の手入力が不要に
会計ソフトと連携し、「楽楽精算」の仕訳データをそのまま会計ソフトへ取り込むことが可能です。CSVファイル形式で出力した仕訳データを会計ソフトにアップロードするだけで完了します。効率化を実現し、手入力による転記ミスの低減にもつながります。
「楽楽精算」の魅力➂ ルールに反する申請は自動でブロック
社内規定に違反する経費申請書を自動でブロックする機能が搭載されています。申請ミスを未然に防げるので、差し戻しにかかる時間と手間をなくせます。正確性が高まるのはもちろん、承認業務の無駄を削減することで効率化が可能です。
「楽楽精算」には自動仕訳機能以外にも便利な機能がたくさん搭載されています。機能や導入メリットについて詳しくは、ぜひ無料のダウンロード資料でチェックしてみてください。
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