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電子帳簿保存法におけるレシートや領収書の正しい保管方法を確認!

更新日:2023/10/17
  • 電子帳簿保存法対応

レシートや領収書、請求書、仕訳帳、決算書などの帳簿書類は、税法上一定期間の保存が必要です。また、従来は紙での保存が義務付けられていましたが、2022年に「電子帳簿保存法」が改正され、電子データとして受領した場合は電子保存することが義務化※されました。

電子帳簿保存法とは、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」の略称です。法律で保存が義務付けられた各種帳簿や決算関係書類、取引書類などの電子保存に関するルールが定められています。

それでは、書類のデジタル化が進む現代のビジネスシーンにおいて、紙のレシートや領収書はどのように保存するのが良いのでしょうか。本記事では電子帳簿保存法に触れながら、具体的な保管方法や保存条件、運用時のポイントについて解説しますので、企業の経理担当者の方はぜひ参考にしてください。
※2022年12月16日時点の情報です。令和5年度の税制改正大綱にて、電子取引の保存に関する猶予措置が発表されました。詳しくは国税庁の発表をご確認ください。



>> 電子帳簿保存法とは?対応方法と必要なことを分かりやすく解説

電子帳簿保存法においてレシート・領収書はどのように保管するのが正しい?

レシートや領収書は、紙と電子データのどちらの形式でも発行される可能性がある書類です。電子帳簿保存法に対応する際、それぞれの発行形式でどのように保管する必要があるのでしょうか。こちらでは、2022年に行われた法改正の内容も踏まえて解説します。

紙のレシート・領収書の場合

電子帳簿保存法では、紙のレシートや領収書はスキャナでスキャンし、電子データで保管することが認められています。訂正・削除の履歴が残るクラウドシステムを利用する、タイムスタンプを付与するなど一定の条件を満たせば、データ化した後に原本を破棄できるため、ペーパーレス化の促進や保管コストの削減につながります。なお、タイムスタンプとは特定の文書に付与する電子的な印のことです。文書が不正に改変・改ざんされていないことを証明するための仕組みを指します。

なお、紙で受領したレシートや領収書は、従来通り紙のまま保管することも可能です。企業は、保管スペースや事務処理の負担、電子データを管理する会計システムの有無などを考慮し、どちらの形式でレシートや領収書を保管するのか選択する必要があります。

電子データのレシート・領収書の場合

取引先から送付されたメールやECサイトなどを介して、電子データで受領したレシートや領収書は、電子データのまま保存する必要があります。データで受け取ったレシートや領収書を印刷し、紙で保存することは原則できません。電子帳簿保存法の施行当初は、対象書類の電子保存は任意でした。しかし、2022年の法改正により、電子データで受領した書類については電子保存が義務化※されています。

なお、上記のルールに関しては、2021年に公表された税制改正大綱で、2023年12月31日までの猶予期間が設定(=宥恕措置)されました。2024年1月1日以降は完全移行となるため、猶予期間中に会計ソフトの導入や経費管理に関する社内ルールの見直しなど、準備を進める必要があります。

※2022年12月16日時点の情報です。令和5年度の税制改正大綱にて、電子取引の保存に関する猶予措置が発表されました。詳しくは国税庁の発表をご確認ください。

電子帳簿保存法におけるレシート・領収書の保存要件

電子帳簿保存法では、書類の保存方法ごとに要件が決められています。また、2022年の法改正にともない、電子保存を行う際の事前承認制度の廃止や、勘定科目をはじめとした検索要件の見直しなど、大幅な要件緩和が実施されました。続いては、電子帳簿保存法の改正内容を踏まえて、スキャナ保存と電子取引データ保存の保存要件を解説します。

紙のレシートや領収書をスキャナでデータ化し保存する場合(スキャナ保存)

紙で受領したレシートや領収書をスキャナ保存する場合、重要書類と一般書類で要件が異なるのが特徴です。重要書類とは、企業の資金や物の流れに直接的に関係する書類のことで、契約書や納品書などが該当します。一方、一般書類は企業の資金や物の流れに直接的には関係しない書類を指し、見積書や注文書などが含まれます。レシートや領収書は重要書類に該当するため、スキャナ保存する際は間違えないように注意しましょう。

具体的な保存要件は下記の表の通りです。「〇」が記載されている部分の要件を満たす必要があります。スキャナ保存を業務に取り入れる場合は、電子帳簿保存法対応と明記しているシステムを選ぶと安心です。

スキャナ保存の要件

要件 重要書類 一般書類
真実性 機器 スキャナ種類:解像度200dpi以上・カラー(RGB)画像256階調以上 ※1
情報 タイムスタンプの付与 〇※2 〇※2
訂正や削除の事実、内容の確認
スキャナ文書と帳簿との相互関連性の確認  
業務 入力期間の制限(受領後又は業務の処理に係る通常の期間経過後(※3)、速やかに入力)  
可視性 機器 見読可能装置の備付(14インチ以上のカラーディスプレイ、カラープリンター) ※1
検索機能の確保 取引等の年月日、取引金額、取引先での検索
日付、金額の記録項目は、その範囲を検索かつ二以上の任意の記録項目を組み合わせての検索又は電磁的記録のダウンロードの求めに応じる
業務 システム開発関係書類、操作説明書等の備付
※1 グレースケールでの保存可
※2 日時の証明が担保されているクラウドサーバーで保存し、訂正や削除の痕跡を確認できる場合は不要
※3 各事務の処理に関する規程等で定めている場合に限る(最長2カ月)

なお、上記の保存要件は、基本的に電子帳簿保存法の適用後に受領した書類が対象です。もし過去分の重要書類をスキャナでデータ化して保存したい場合には、所轄の税務署長に届出書を提出する必要があります。

電子データとして受領したレシートや領収書を保存する場合(電子取引データ保存)

レシートや領収書など、取引情報が記載された書類を電子データで受領した場合は、電子データのまま保存することが必須です。各種書類を要件に沿って保存できるよう、クラウドサービスやシステムの準備が必要になります。具体的な保存要件は下記の表をご確認ください。

電子取引データ保存の要件

要件 要否
真実性 タイムスタンプが付与された後の書類の授受又は速やかに(又はその業務の処理に係る期間を経過した後、速やかに(※4))タイムスタンプを付与する 3つのうちいずれか
記録事項の訂正や削除が考慮されたシステムの利用(クラウドサービス上で保存する場合のみ)
記録事項の訂正及び削除の防止に関する事務処理規程の備付と運用
可視性 見読可能装置の備付
検索機能の確保 取引等の年月日、取引金額、取引先での検索
※売上高が5,000万円以下は不要(電磁的記録のダウンロードの求めに応じる必要あり)
税務職員による電磁的記録の出力書面(※5)の提示又は提出の求めに応じる
システム開発関係書類、操作説明書等の備付
※4 各事務の処理に関する規程等で定めている場合に限る(最長2カ月)
※5 取引年月日(その他日付)や取引先ごとに整理して見やすい形式で出力

電帳法は業務効率化のチャンス?レシートや領収書をデータで保存するメリット・デメリット

レシートや領収書の管理は、経理業務のなかでも手間のかかりやすい作業の一つです。電子帳簿保存法に従ってレシートや領収書を電子データで保存すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。こちらでは注意点とともにご紹介します。

メリット

経理業務の効率化

電子帳簿保存法に対応して書類を電子データ化すると、経費精算に関する事務作業の負担を軽減できます。例えば、書類の確認や承認がオンライン上で可能になるため、オフィスに出社しなくても経理業務を行えるようになります。これは特に、リモートワークやテレワークを導入している企業にとって大きなメリットです。また、複数拠点間での原本郵送コストや、郵便物の到着までにかかる時間の削減も期待できるでしょう。さらに、書類を電子データ化することで、検索や並べ替え、計算などの作業を瞬時に行うことができ、手作業による時間と労力を大幅に削減できます。

そのほかには、書類の読取機能を搭載した経費精算システムを導入することで、従業員が経費申請のたびに精算書を作成する手間を省くことも可能です。スマートフォンでレシートや領収書を撮影して自動でデータ化や経費精算を行えるようになり、業務効率化やミスの削減につながります。

管理の手間・スペースの軽減

企業が扱う書類は、レシートや領収書以外にも、取引情報を記載した各種証憑やクレジットカードの明細など多岐にわたります。書類を紙で保管する場合は物理的なスペースが必要となるため、日々の業務や取引先とのやり取りによって書類の量が増えると、事業所のスペースが圧迫されます。従業員の数に対して広すぎるオフィスが必要になるだけでなく、書類の管理作業も煩雑になるでしょう。

この点、電子帳簿保存法の要件に従って書類を電子データ化すれば、紙の書類の保管場所が不要になります。ファイリングや書類の整理、分類作業の手間を軽減でき、人件費の削減にも役立ちます。ファイリング作業は煩雑になりやすく、書類を紛失するリスクも存在します。電子化すればファイリングの手間がかからず、書類の保管に必要なファイルやキャビネットの購入コストもかかりません。

情報セキュリティの向上

紙での書類管理には、情報セキュリティ上のリスクがともないます。特に、レシートや領収書は小さな紙で配布される場合が多く、紙のまま管理しようとして誤って処分したり、紛失したりするケースも少なくありません。書類から機密事項や取引情報が流出すれば、信用問題に発展する可能性もあります。

これらの問題を解決するには、データのバックアップやセキュリティ体制が整ったクラウドサービスを利用して書類を電子化する方法が有効です。データであれば、紙のように劣化したり、紛失したりする心配はありません。また、タイムスタンプの付与やシステムによる訂正・削除履歴の確認機能なども活用することで、情報漏洩や改ざんのリスクを大幅に低減できます。

デメリット

書類を電子データで保存する場合、電子帳簿保存法に対応するためのシステムやスキャナなどの導入コストがかかる点がデメリットです。一般的に、経費精算システムの料金は、導入時の初期費用と月々のランニングコストで構成されています。月額費用は従業員の数に応じて変動するため、事前に予算を決めたうえで、提供会社の公式サイトなどでシミュレーションを行いましょう。

また、電子帳簿保存法の要件を正確に把握するための教育コストも必要です。書類の管理方法を変更する場合は、新たな業務フローや手順に慣れるための研修などを実施する必要があり、コストだけでなく時間もかかります。

電子帳簿保存法においてレシートや領収書を保存する場合に覚えておきたいこと

電子帳簿保存法に従ってレシートや領収書を電子化する場合、保存要件以外にも気をつけるべきポイントがあります。こちらでは3つの視点で解説します。

紙での保管が必要なケースがある

原則、電子帳簿保存法の要件に対応した保存方法であれば、書類の電子化と同時に原本は破棄できます。スキャナ保存の場合、従来は書類のスキャン後も1年程度原本を保存する必要がありましたが、法改正によって定期検査の要件が廃止されたことで不要となりました。ただし、以下のようなケースでは、データに加えて紙での保存も必要となるため注意しましょう。

  • 保存方法が電子帳簿保存法の要件を満たしていない
  • 保存の期限(2カ月と約7営業日)を過ぎている
  • レシートや領収書のサイズがスキャナの最大出力サイズを超えている

電子化したレシートや領収書には保存期間が定められている

電子化したレシートや領収書には、法令上の保存期間が定められています。具体的には、法人の場合は7年間、個人事業主は5年間の保存が義務付けられています。個人事業主の場合、各種帳簿や決算関係書類など、一部7年間の保存が必要なものもあるため混同しないようにしましょう。この期間内は、税務署などから問い合わせがあった場合に、いつでも該当の書類を取り出せるようにしておかなければなりません。なお、青色申告を行う事業者のうち、年度内に欠損金がある場合は10年間の保存が必要です。

電子帳簿保存法に違反すると罰則を科されることがある

電子帳簿保存法の要件や保存期間に関する定めに違反すると、罰則を科される可能性があります。具体的には青色申告の取り消し処分を受けたり、悪質なデータ改ざんや隠蔽が認められると、追徴課税や推計課税を受けたりします。また、会社法にも帳簿や書類の保存に関する定めがあるため、違反によって過料などの処分が下される場合も。電子データによる不正は絶対に行ってはいけません。

電子帳簿保存法に対応してレシートや領収書の電子保存を実現しよう

本記事では、電子帳簿保存法におけるレシートや領収書の保管方法、保存要件、メリット・デメリットなどをお伝えしました。電子帳簿保存法は、事業者に紙のレシートや領収書をデジタル化して保存することを認め、経理業務の効率化や書類管理の負担軽減を可能にする法律です。法改正による変更点や保存期間などのルールを正しく理解し、レシートや領収書の電子保存を実現しましょう。

電子帳簿保存法に沿ってレシートや領収書をデータで保管する場合は、専用のシステムを導入すると安心です。システムを導入せずに対応することも可能ですが、法律に則ってデータ保管する環境を整える際は多くの手間がかかります。経理担当者の負担軽減を考慮するなら、システムの導入を検討するのもよいでしょう。

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>> 電子帳簿保存法に対応!「楽楽精算」で経理業務もっとラクに

※1:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2022年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/)より

実際に「楽楽精算」をご導入いただいたことで、電子帳簿保存法の対応や経費精算業務の効率化に成功されたお客様の声の一部をご紹介します。

電子帳簿保存法におけるレシートや領収書の保存についてのQ&A

最後に、電子帳簿保存法におけるレシートや領収書の保存に関するよくある質問にお答えします。

Q1. レシートや領収書の電子保存は義務?

電子帳簿保存法の改正により、電子データとして受領したものは電子データのまま保存することが義務化されました。一方で、紙のレシートは、紙のままと電子化のどちらの保管方法も認められています。

Q2. スマートフォンのカメラなどで撮影したレシートや領収書の写真も法律上問題ない?

紙のレシートや領収書を電子データ化する場合、電子帳簿保存法の要件を満たしていれば、スマートフォンのカメラなどで撮影した写真でも問題ありません。「楽楽精算」の専用アプリを使ってレシートや領収書を撮影すると、電子帳簿保存法に対応する形で自動的にデータ化できるため便利です。

Q3. レシートと領収書の違いは?

レシートと領収書は記載内容が異なります。レシートは、取引の年月日や取引金額、商品やサービスの名称などが記載されているのが一般的です。領収書の場合は、これに加えて購入者の宛名が記載されます。なお、領収書は日本独自の文化であるため、海外出張時には基本的にレシートで経費精算を行うことになります。

Q4. レシートや領収書を取っておく理由は?

レシートや領収書を紙のまま保管する場合、法令で定められた期間はいつでも取り出せるようにする必要があります。ただし、レシートや領収書を電子帳簿保存法の要件に従って電子化して保管する場合は、原本は基本的に破棄して問題ありません。

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