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交通費の不正受給が発覚したときに会社がとるべき対応は?
あわせて防止策も解説

交通費の不正受給が発覚したときに会社がとるべき対応は?あわせて防止策も解説
更新日:2024/2/19
  • 交通費精算

交通費の不正受給は、企業にとって深刻な問題です。従業員による不正受給が発覚した際、企業はどのように対応すべきなのでしょうか。
本記事では、具体的な交通費の不正受給のケースや明らかになった場合の適切な対応方法、不正受給を未然に防ぐためのポイントを解説します。
交通費申請の管理を強化し、不正が起きづらい環境を構築するのに役立つシステムもご紹介しますので、企業の経理・会計担当者の方はぜひ参考にしてください。

>> 交通費精算のやり方や申請時の注意点|経理業務でよくある課題とは?

交通費の不正受給における5つのケース

交通費の不正受給にはさまざまなパターンがあります。ここでは5つのケースをご紹介します。

ケース1:通勤手段を偽った不正受給

1つ目は会社から支給された定期代を受け取りつつ、実際には自転車や徒歩で通勤しており、浮いた電車代を不正受給しているケースです。

公共交通機関での通勤を申請している従業員が、自家用車で通勤している場合も含まれます。同様の裁判例では、通勤手当を不正受給していた大学教員に対する懲戒解雇を有効と判断した事案もあります。

また、通勤方法を虚偽申告している場合、事故にあったときに通勤災害の認定を受けられない可能性があるといった別の問題も発生し得ます。

ケース2:交通経路を偽った不正受給

2つ目は通勤経路を偽っているケースです。交通費が高い遠回りの経路を申請して、安い経路で出勤し差額を不正受給しています。

通勤経路は合理的な経路になっている必要があるため、特に理由もなく遠回りや乗り換えの多いルートを申請することは許されません。

ケース3:住所を偽った不正受給

3つ目は届け出ている住所で生活をしておらず、異なる住所から出勤しているケースです。会社から遠い実家などの住所を届け出たうえで、実際は会社近くの一人暮らしをしている自宅から通勤し、交通費の差額を不正受給する場合などが当てはまります。

「引越し後の住所変更の申告を忘れていた」「住民票の住所は変わっていないので問題ないと思った」など、さまざまな原因が考えられますが、どれも不正受給に該当します。

ケース4:申請の重複による不正受給

4つ目は重複した交通費申請をするケースです。例えば、業務上の移動で通った経路が定期代で申請していた経路と重複しており、二重で費用を受給する形になった場合などがあります。

過失のケースも多いものの、実際にかかった交通費と支給金額に差がある以上、不正受給とみなされます。

ケース5:架空の申請による不正受給

5つ目は業務上発生していない交通費を申請するケースです。具体的には、架空の出張を申請したり、出張費や交通費の請求書にプライベートの旅行費用を計上したりして、支給された費用を不正受給する場合などがあります。

故意に行うケースが多いことから、特に悪質性の高い事案と考えられます。

不正受給が発覚したときに会社がとるべき対応

交通費の不正受給は、行為態様や故意の有無によっては詐欺罪(刑法246条)や業務上横領罪(刑法253条)に該当する可能性がある重大な問題です。単に差額を返金してもらうだけでは済まないケースも多いため、不正受給が発覚した場合は速やかな対応が求められます。ここでは会社がとるべき対応を3つの手順で解説します。

STEP1.本人確認

不正受給が疑われる場合は、まず調査を行い、情報や証拠を収集しましょう。当該従業員の通勤経路の申請書や住所、定期券購入の領収書、他の従業員の目撃情報などを確認するのが有効です。言い逃れや証拠の隠滅を防ぐためにも、本人への聞き取りは正確な事実を押さえたうえで行うようにしましょう。

ヒアリングでは被害金額や不正受給の日時、方法、回数、期間、故意・過失、動機、返還意思の有無などを尋ねます。必要に応じて領収書や住民票の写しなどの提出も求めましょう。また、後の懲戒処分が無効になるのを防ぐには弁明の機会を与え、本人の事情を確認することも重要です。

STEP2.報告

次に、証拠と本人に確認した事実を監査部門や上司などに報告します。会社の対応次第では会社にリスクが発生するため、不正受給が発覚した段階で労働問題に詳しい弁護士に相談するのも1つの手です。

例えば、不正受給を理由に解雇した従業員に訴訟を起こされ、不当解雇として企業側が敗訴した事例はいくつもあります。また、従業員が返金に応じない場合は、不当利得返還請求訴訟(民法703条)を起こすなど、法的な対応が必要なケースもあるため、事前に弁護士に相談するのは良い方法です。従業員が不正受給を認め、全額返還の意思を見せている場合も、弁護士のサポートのもと支払い誓約書などを作成すると確実です。

STEP3.従業員の処分を決定する

最後に、従業員の事情や認定された事実、損害の程度、反省の有無などを総合的に考慮し、本件の処分を決定しましょう。

処分には差額の返還請求に加えて、退職勧奨と懲戒処分が考えられます。退職勧奨とは使用者が労働者に退職を促す行為で、不正受給をした本人に自発的に辞めてもらうことを意味します。両者の合意によって退職を目指す方法であり、通常の退職と変わらないのが特徴です。ただし、退職を強要すると違法と評価され、不法行為責任を追及されるおそれがあるため注意しましょう。

また、懲戒処分とは従業員が職場のルールや企業秩序に違反したことに対する制裁として科される不利益処分です。懲戒処分には、戒告・譴責・減給・出勤停止(停職)・降格・諭旨解雇(諭旨退職)・懲戒解雇の7つがあります。不正受給の原因が過失にあり、被害の程度も大きくなく、本人にも反省の態度が見られる場合は、減給や一定期間の出勤停止といった処分に留める場合もあります。反対に、損害が多額かつ行為が悪質な場合は、懲戒解雇などの厳しい処分を検討する必要があるでしょう。ただし、裁判で不当解雇とされ従業員の復職を命じられるケースも少なくないため、解雇する場合は慎重に進めることが大切です。

不正受給を防ぐためにできる対策

最後に、不正受給を防ぐための対策を3つご紹介します。不正受給を防止できれば、返還後の経理処理の負担もなくなるため、不正が発生する前に対策を講じることが重要です。

就業規則の見直し

不正受給を防止するには、就業規則や賃金規程を見直し、交通費の支給ルールが従業員にとって理解しやすいものになっているかを確認しましょう。交通費は従業員が気づかないうちに不正受給してしまう場合も少なくありません。そのため、どのようなケースが交通費の不正受給にあたるかを従業員が認識できることが重要です。また、就業規則に関する研修を定期的に行う、社内報で住所変更時には申告するようにアナウンスするなど、従業員への周知もあわせて行いましょう。

交通費申請の管理を徹底する

交通費の不正受給を防ぐには、会社側の交通費申請の管理を強化し、定期券のコピーや領収書の提出を義務化するのも有効です。実際に利用している経路や、届け出通りの住所から通勤しているかを確認できます。提出書類の管理には一定の手間がかかるものの、システムを導入することで負担を軽減できるでしょう。

経費精算システムを取り入れる

不正受給の防止には経費精算システムを活用するのもおすすめです。取り入れるシステムによっては不正受給が起きづらくなる仕組みを構築できます。例えば、ICカードの履歴データを連携し、交通費申請書を作成できる機能や、定期券の範囲が申請と被っているとアラートが上がるといった機能を持つシステムも存在しています。

交通費の不正受給の防止には経費精算システム「楽楽精算」の活用がおすすめ!

ここまで、交通費の不正受給のパターンと発覚した場合の対処法、防止策をお伝えしました。交通費の不正受給は、1回あたりの被害金額は少額でも、長年にわたる不正によって高額な損害が出るケースも少なくありません。しかし、不正受給を防止するために、従業員が提出した申請書や領収書を1枚ずつ手作業でチェックするのは手間がかかります。

そこでおすすめするのが、経費精算システム「楽楽精算」の導入です。「楽楽精算」を利用すれば、交通系ICカードから利用日や経路、運賃などの交通費精算に必要なデータを自動で取り込めるため、従業員による虚偽の申請を防止できます。手動で申請を行った場合には専用のアイコンが表示されるため、経理担当者のチェックもラクになります。

また、「楽楽精算」には社員ごとの定期区間を登録することもでき、システム内の乗換案内ソフトで利用経路を検索すると、定期区間の自動控除が可能になります。申請者が自分で定期区間分の料金を除く計算をする必要がなくなるため、重複申請によって不正受給に至るリスクも減らせるでしょう。

加えて、経路や運賃は自動的に交通費申請画面に反映され、申請内容に応じて「早」「安」「楽」のアイコンが表示されるため、適正ルートの確認が簡易化できるのも強みです。

「楽楽精算」には、このほかにも交通費精算業務をラクにするさまざまな機能が搭載されています。

>> 何ができる?「楽楽精算」の便利な機能について詳しくはこちらをチェック

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