交通費の勘定科目は移動目的によって変わる?
適切な仕訳が必要な理由
- 交通費精算
交通費とは、業務のための移動でかかった費用全般を指す言葉です。しかし、仕事における移動には通勤や出張、取引先への訪問など多くの種類があり、経費精算では該当の“交通費“がどの勘定科目に分類されるか悩む場合も少なくありません。
そこで今回は、交通費の勘定科目の一覧と仕訳例、適切な仕訳が重要とされる理由を解説します。交通費精算の業務効率化に役立つツールもご紹介しますので、交通費の会計処理にお困りの経理・会計担当者の方はぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
“交通費”の勘定科目の見分け方
交通費は使われる目的に応じて仕訳される勘定科目が異なります。勘定科目が変わると法人税の計算などに影響が出る可能性があるため、経費処理を行う際は目的に合わせて正しい勘定科目を選択することが大切です。なお、交通費の仕訳ルールや範囲には企業によって違いがあるため、ここでは一例をご紹介します。
「交通費」に仕訳するもの
通勤費
通勤費は通勤のために発生する費用のことです。通勤時に使用する公共交通機関の定期券代や、自家用車で通勤する場合のガソリン代などが当てはまります。多くの企業では通勤費を「交通費」として経理処理しています。通勤費は移動手段や通勤距離に応じて非課税となる上限が定められているのが特徴です。
また、企業によっては通勤費を出張中の移動費や宿泊費と同じ「旅費交通費」や、通勤手当として「給与手当」の勘定科目で経費処理する場合もあります。ただし、「給与手当」は消費税の課税仕入の対象外となっています。そのため、混同しないように「旅費交通費」としてまとめて処理するか、「交通費」として処理するのがおすすめです。
移動費
移動費は比較的近距離で、日常的に発生する業務上必要な移動のための費用です。取引先への訪問で利用した電車代、バス代、タクシー代や営業活動のためのガソリン代、高速道路料金、駐車場代などが該当し、「交通費」として仕訳されます。駐車場代の勘定科目は1日だけなら「交通費」、月極で借りるなら「地代家賃」となります。
「旅費交通費」に仕訳するもの
「旅費交通費」は、勤務地外の遠方へ移動する際に発生する費用を処理する勘定科目です。出張で発生する費用は出張費と呼ばれる場合もありますが、経費処理では「旅費交通費」という名称が使用されます。
具体的には、地方出張時の移動費(電車代、飛行機代、新幹線代、レンタカー代など)や出張手当(日当)、出張先での食事代、ホテル代などが「旅費交通費」に仕訳されます。
近距離や短期の出張では、社内規定に従い従業員が一時的に費用を立て替えたうえで、出張旅費精算書を提出し、承認を受けて実費精算を行うのが一般的です。また、海外や長期間の出張など金額が大きくなる場合は、従業員の負担を軽減するために事前に仮払金を現金で支給し、後日領収書を提出させて経費精算を行う方法もあります。
「福利厚生費」に仕訳するもの
「福利厚生費」は、従業員の福利厚生のために支出する費用を処理する勘定科目です。仕訳例としては、慰安旅行として行われる社員旅行の移動費用が「福利厚生費」に該当します。
「研修費」に仕訳するもの
「研修費」は、従業員の研修のために支出する費用を処理する勘定科目です。例えば、研修目的の社員旅行や、研修セミナーに参加するための交通費や宿泊代は「研修費」として仕訳されます。
「交際費」に仕訳するもの
「交際費」は、取引先や顧客などとの交際のために支出する費用を処理する勘定科目です。具体例としては、接待時のタクシー代や公共交通機関を使った移動費用などが当てはまります。
「広告宣伝費」に仕訳するもの
「広告宣伝費」は、広告や宣伝のために支出する費用を処理する勘定科目です。不特定多数の顧客や消費者などを招待するイベントでかかった会場への移動費用などが該当します。
「交通費」と「旅費交通費」の勘定科目を分けている会社があるのはなぜ?
「交通費」と「旅費交通費」の勘定科目を分けるのは、会計処理や管理をスムーズに行うためです。両者を区分することで出張や転勤などの業務にかかった費用を把握しやすくなり、効率的な経費精算が可能になります。
また、「交通費」は限度額内であれば非課税、「旅費交通費」は基本的に所得税の課税対象とならないなど、税務上の取り扱いも変わります。従業員に負担をかけないためにも、「交通費」と「旅費交通費」の勘定科目は適切に使い分ける必要があるといえるでしょう。
交通費の勘定科目の適切な仕訳が重要な理由
交通費の勘定科目を正しく理解することは、企業運営や経理業務にどのような効果をもたらすのでしょうか。ここでは、交通費の勘定科目の適切な仕訳が重要とされる理由を解説します。
コストの削減
交通費の適切な仕訳はコスト削減に寄与します。その理由は、交通費を勘定科目ごとに仕訳することで、経費精算時に不必要な支出や過剰な請求を見極めやすくなるためです。加えて、交通費に関する社内規定を明確化すれば、従業員が自発的に交通費の合理的な利用を心がけるようになり、無駄な支出を削減できるでしょう。また、交通費の分類や計算を正しく行うことで、税金の申告や支払いを適正に処理しやすくなります。
経理業務の効率化
交通費の勘定科目の適切な仕訳は、経理業務の効率化にも役立ちます。なぜなら、正しく仕訳を行うことで、会計処理に関連するエラーやミスの発生を防止でき、交通費の管理や精算にかかる時間の短縮が期待できるためです。経理担当者の負担軽減にもつながり、より人手が必要となる決算業務などに注力しやすくなります。
交通費の仕訳は煩雑になりがちですが、非常に重要です。勘定科目ごとに適切に分類し、コスト削減や経理業務の効率化を実現しましょう。
交通費の勘定科目を正しく理解して適切に仕訳を行おう
ここまで、交通費の勘定科目の仕訳例や、交通費を適切に仕訳することの重要性をお伝えしました。一般的に移動にかかる費用はすべて交通費と呼ばれますが、会計上は使用目的に応じてさまざまな勘定科目に区分されます。この機会にどの費用がどの勘定科目に該当するのかを理解し、自社の交通費の会計処理を最適化しましょう。
ただし、交通費の会計処理は仮払金の確認や最安経路の検索、運賃の確認など、面倒な作業が多いのが特徴です。作業に手間と時間がかかり、金額の入力ミスなども起こりやすい傾向にあります。
そこで、日々の交通費精算業務の負担を軽減したいときには、システムを導入するのも一つの手です。
中でも、経費精算システムの「楽楽精算」は、交通費精算をはじめとした経費処理に関するすべての業務をまとめて効率化できるクラウド型のシステムです。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しているため、請求書や注文書などの各種帳票の管理も最適化できます。
「楽楽精算」には、交通費の精算業務をラクにする便利な機能が豊富に搭載されています。例えば、自動仕訳機能。こちらは、あらかじめルールを決めておけば、交通費申請された内容に応じてそのまま勘定科目が振り分けられ、自動で仕訳が完了する機能です。経理担当者が勘定科目を指定する必要がなくなり、手入力によるミスを削減できます。また、交通系ICカード取込の機能を搭載し、乗換案内ソフトを内蔵しているので、運賃や最安経路の確認作業を効率化できるのもポイントです。他にも、現在お使いの会計ソフトとの連携も可能なため、転記にともなう入力ミスなども減らせます。
「楽楽精算」の便利な機能について、詳しくは以下のページでご紹介しているため、ぜひお読みください。
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